過労死防止大阪センター

【コラム】『過労死等が起きない社会を願って』

 大阪過労死を考える家族の会は、1990年12月に結成され、32年目を迎えます。

 過労死等防止対策推進法が施行されて 8 年が経ちますが、未だ様々な職種で、若い世代の過労死や過労を原因とする被災者が、後を絶たない現状です。二ヶ月に一度開催しています定例会では、親、兄弟、配偶者、子を過労死で喪ったご家族や過重な働き方により病を発症した当事者が、参加されていて、苦しい胸のうちを明かしたり、労災申請や訴訟について進捗状況の報告をするなど、様々な境遇に置かれている会員同士が、情報交換をしながら励まし支え合っています。

 ご自身やご家族が、職場での労働環境が要因で、病を発症したり、倒れてしまう、場合によっては、過労死に至る悲惨な状況に陥ることは、決して他人事ではありません。過労死は、身近に起こり得ることと知っていただく為、過労死等防止啓発授業や過労死等防止対策推進シンポジウムにおいて、会員が、ご自身の辛い胸中や実体験を語っています。「あの時にこうしていれば良かったのでは…」と悔やんでも大切な家族や時間を取り戻すことはできません。

 働き方により労働者の健康や命が脅かされることのないよう今後も会員及び過労死問題に取り組まれている弁護士、有識者、関連団体、支援者等の皆様とともに過労死が起きない社会を目指し、活動に取り組んで参ります。

(大阪過労死を考える家族の会 西岡佳恵)