2025年11月10日 過労死等防止対策推進シンポジウム
2014年6月、過労死等防止対策推進法が成立し、国は、11月を啓発月間と定めました。以降、全都道府県で過労死等防止のためのシンポジウムが行われています。
2025年の大阪会場は、11月10日JR大阪駅近くのグランフロント大阪で行われました。参加者は、187名でした。
大阪労働局長から開会挨拶後、労働基準部監督課長から「過労死ゼロに向けて」と題し令和7年度版白書の報告がありました。白書の内容は、法制定後も過労死等の申請請求件数・認定件数ともに残念ながら減少していません。特に目立ったのは、数年前から精神障害の労災請求件数が急増していることでした。今後もさらに国を挙げて働き方への対策や意識改革が急務であります。
- 基調講演
産業医科大学産業衛生教授宮本俊明氏から「日本人は、無理せず健康的に快適に働く事ができるのか?」と題しご講演いただきました。過労死の考え方の変化や労災認定基準の見直し、各労働時間制度に係る医師の面接指導の要件、過労死白書からの労災請求や認定状況と個々のストレスについて労働者側に立ってご説明いただきました。
ハラスメントについては、職場でのパワーハラスメントの定義や対策について具体的な例を挙げてお話頂きました。カスタマーハラスメントは、「お客様は神様」の日本とチップ制度のある海外との考え方や制度の違いに触れられ『日本独特の思考かも』とのお話はたいへん興味深く感じました。
ストレスチェック制度は、目的は何であるかについて。事業者と産業医が連携し集団的な分析を行い、具体的な職場環境改善へと繋げることが重要である。すなわち「分析後どのようなことをしたのか」が最大の重要課題であると学習しました。
- 企業からの取組事例発表
株式会社高島屋人事部より「育児介護両立支援の取組みと法改正への対応」と題し、働きやすい職場に繋がる具体的な事例を挙げてご報告いただきました。
介護のための様々な支援をはじめ、百貨店という特性上、繁忙期が学校や保育園の休日と重なるので、親の出勤を助けるために会社で子ども達の預かりを行っている。近年は特に女性の辞職が減り人材確保に繋がっているという取組事例でした。
- 過労死遺族の声
大阪過労死を考える家族の会から夫を亡くされた妻と息子さんを亡くされた母、遺族2名の訴えでした。
まじめに仕事に取り組んだにもかかわらず、理不尽な働き方により大切な家族を亡くしたお二人は、「どうにかして防ぐことができたのでは」という悔しい気持ちを持ちながらも、ご自身が話すことにより過労死等の予防に繋がることを願い発言されました。
- 閉会挨拶
松丸正弁護士から、雇用する側が労働時間の適正把握を行うことが過労死等を予防できる近道であるなど、過労死等についての職場対策をお話しくださいました。
(大阪過労死を考える家族の会 小池江利)



