【コラム】 過労死等防止対策推進シンポジウムに出席して感じた事。
過労死防止大阪センター幹事 上瀬豊
11月15日、大阪梅田でシンポジウムがあった。職場のパワーハラスメントを防止するための対策が、統計を交え、指摘された。この中で、上司の叱責は、部下のやる気をそぐことが多い事などが示された。
しかし、良い上司になる事を目指すことが、パワハラをなくす道ではないように思う。まず、上司、部下などと言う言葉や意識はどうなんだろう。会社の中の役割分業に過ぎない課長や係長、主任などのポストを、人格面でも上下関係があると勘違いをさせる。ついでに言えば、その役割は、就業時間内だけの話であり、休み時間や休日には対等な人間どうしである。
そのことを勘違いしている人のなんと多い事か、休み時間や休日にまで、課長、部長と呼び合う馬鹿さ加減はどうだろう。プライベートの場でも先生と呼んだり、社長と呼んだりするのは、やめてはどうでしょう。これを続ける延長戦上に、休みの日も「上司」と付き合ったり、就業時間でない時に上下関係を持ち込んだり、悪弊がなくならない。
良い「上司」になるのではなく、対等な人間関係を築く文化を作るため、一人一人が、考え直さなくてはならないでしょう。
昨年、労災認定された過労死者数は、802人だそうだ。認定されなかった過労死者数、過労自殺者数は、もっと膨大な数になることが想像できる。
人を肩書で呼ぶ文化を自分からなくそうと思う。狂言のセリフにあるように、「そこら辺の者でござる」と私は言うことにしよう。