過労死防止大阪センター

報告・過労死防止啓発講座(2015.6.26 立命館大学)

 立命館大学茨木キャンパスにて私が担当している「雇用政策論」の授業の一環として、「過労死防止大阪センター」代表幹事である森岡孝二先生と、「全国過労死を考える家族の会」代表である寺西笑子さんをお招きして、過労死に関する「啓発講座」として講義をしていただきました。お二人の講義では、過労死の現状と長時間労働を許してしまっている法制度などの問題点、過労死で家族をなくすことがどれほど悲惨なことなのかという実体験、そして過労死を撲滅するための社会運動の歴史、2014年に成立した「過労死等防止対策推進法」の意義、それに自民党が法制化しようとしている「高度プロフェッショナル制度」(ホワイトカラーエグゼンプション)の問題点などについて語っていただきました。

 お二人の講義は素晴らしいもので、学生たちはこの特別講義に触発され、自由課題にしたレポートでは、多くの生徒が過労死問題について書いてくれました。過労死で家族を亡くされた遺族の方々の悲しみと悔しさを学生たちは「理解」というよりは「体感」し、また過労死するほどの長時間労働を許している様々な制度への批判的な視点を磨いてくれたようです。彼らは過労死を「決して自分と無関係ではない」ものとして捉え、過労死をなくしていくための社会運動の重要性を理解し、雇用制度や労働のあり方がいかに人々を幸せにもするし、不幸のどん底にも突き落とすのかということを、実感をもって認識してくれました。彼らにとって非常に有意義な学習体験になったと思います。

 結果として、「過労死防止大阪センター」が提供されているこの「啓発講座」の大きな意義を実感しています。センターのこのような真摯な活動に対しては、若い世代はちゃんと呼応してくれる、過労死撲滅を願う声は必ず届く、そしてそれによって社会がこれから良い方向に変わっていけるのだ、と確信しています。今後も機会があれば再び「啓発講座」をお願いしたいと思っておりますし、また様々な教育機関などでこの「啓発講座」を利用されることを強くお薦めします。

柴田義雄(立命館大学非常勤講師)
(政策科学部 70名参加)