過労死防止大阪センター

【コラム】オンラインで啓発授業を実施しました
過労死防止大阪センター幹事 清水亮宏(弁護士)

1 立命館大学での啓発授業
2020年12月18日、当センターの副代表幹事の寺西笑子さん(全国過労死を考える家族の会代表)と幹事の清水で、過労死防止啓発授業の講師をさせていただきました。
今回、啓発授業の機会をいただいたのは、立命館大学の社会保障論の授業です。コロナ禍ということもあり、キャンパス内での実施ではなく、Zoomを用いたオンラインでの実施となりました。

2 寺西笑子さんのお話
はじめに、寺西笑子さんから、過労死遺族としての体験をお話しいただきました。夫の写真や裁判の弁護団の写真などをパワーポイントのスライドで写しながら、夫の過酷な長時間労働やハラスメントの実態や、裁判で闘う遺族の気持ちについてお話しいただきました。
また、過労死をなくすために取り組んだ過労死防止法の制定運動の内容、「働き方がおかしい!」と気付いた時にひとりで抱え込まずに相談することの重要性、遺族としてのメッセージなどもお話しいただき、まさに盛りだくさんの内容でした。
寺西笑子さんのお話・メッセージは、社会に出る前の学生の心に刻まれたはずです。

3 労働問題を学ぼう
続いて、筆者(清水)から、過労死とは何かについて簡単に説明し、どのような企業で過労死が起きるのかをイラストを使いながら解説しました。
また、ワークルールについても解説しました。アルバイト労働者の簡単な事例問題(アルバイトが罰金を取られてしまったケースや早出残業時間の給料が支払われていないケースなど)を出題し、法律と契約の関係、労働者を保護するための法律の内容、困った時の行動方法などについて考えてもらい、簡単な解説を行いました。

4 コロナ禍でのオンライン授業
(筆者にとって)初めてのオンライン啓発授業でした。学生の顔が見えず、反応が把握しづらいことから、不安もありましたが、大きな問題もなく実施することができました。
普段の授業と比較して、対面のコミュニケーション(マイクを手渡して質問に答えてもらう、学生同士で議論してもらうなど)が取りづらいため、チャット欄を活用したり、Zoomのグループ分けの機能を使用するなど、オンライン授業を実施する上での工夫が必要であるとも感じました。これからの実践を通じて、より良いものにしていきたいです。
コロナが収束するまでは、講演やイベント等はオンラインが中心になりそうです。当センターには、オンラインでの啓発授業に対応している講師もおりますので、啓発授業に興味をお持ちの教育関係者の方がいらっしゃいましたら、ぜひ活用をご検討ください。
(詳細については、「過労死等防止対策等労働条件に関する啓発事業」とご検索ください)